MatNavi利用者インタビュー Vol. 5
金属合成研究と材料教育を支える信頼性と網羅性の高いデータベース活用
ご利用者
東北大学
金属材料研究所 融合研究部
先端・萌芽研究部門
准教授 池田陽一様
【プロフィール】
東北大学金属材料研究所に所属し、固体物理および金属材料物性分野の研究・教育を担当。重い電子系化合物や高エントロピー合金の合成、大学院教育用の資料作成などにMatNaviデータベースを活用。
利用したデータベース
論文
Time-Temperature Dependent Short- and Long-Range Structural Transformation in Medium-Entropy Alloys
https://doi.org/10.2320/matertrans.MT-M2023071
中性子散乱とEXAFSによる中エントロピー合金中の短距離秩序の探索
https://doi.org/10.5940/jcrsj.65.192
Search for Significant Short-Range Ordering in Medium-Entropy Alloys Tr-Co-Ni (Tr = Cr, Mn, and Fe)
https://doi.org/10.2320/matertrans.MT-MA2024007
Local Atomic Displacements and Sign of the Structural Transformation in Medium-Entropy Alloys Observed in Extended X-ray Absorption Fine Structure Spectra
https://doi.org/10.2320/matertrans.MT-M2023043
インタビュー
Q1. MatNaviを使おうと思った理由や導入前の課題・期待は何ですか
金属材料、特に合金や化合物の合成においては、二元・三元系の安定相、それらの融点や固溶限界などの情報収集に苦労してきました。従来の紙媒体では、効率や網羅性に限界があったため、MatNaviの使いやすい材料データベースによる効率的な情報収集を期待して導入しました。
Q2. 課題解決のためにMatNaviをどのように活用しましたか。使い方のコツはありますか
合金や化合物の合成の情報源として、特に適切な金属フラックスの種類や量、育成温度範囲の決定に活用しています。データベースにある複数のデータを比較して、客観性を活かして判断することが利用のコツです。また、二元・三元合金の状態図や安定相の情報を収集し、学生や共同研究者への説明資料、授業、勉強用資料としても活用しています。
Q3. MatNaviを使って得られた成果や成功体験を教えてください
報告例のなかった単結晶試料の合成条件を確立したり、未同定回折ピークの初期推定を行ったりするなど、試料合成時に生じる説明困難な現象の理解が進みました。これらの成果は論文や学位論文にも結び付き、MatNaviがなければ迅速な成果創出は困難であったと実感しています。
Q4. MatNaviならではの強みは何だと思いますか
網羅的でバイアスが少ないデータベースで、信頼性の高い情報を効率的に入手できる点が最大の強みだと思います。紙媒体と比べて情報収取がしやすい点や、授業などの教材資料としても引用しやすい点がMatNaviならではと感じます。
Q5. 利用上で工夫したことや困った点、その対処法を教えてください
相図を参照する際、コングルーエント組成しか示されていない場合があります。しかし、固溶限が省略されているだけで、実際には有限の組成幅をもつこともあります。そのような場合、複数の相図を比較することで、見落としていた点に気づくことができました。
Q6. 今後のMatNaviへの要望や期待を教えてください
既存の情報に加えて、中性子回折プロファイルや物性値など、多様なデータの拡充を期待しています。バイアスのないデータ整理の仕組みを維持しつつ、引用のしやすさや詳細な物性データの更新性の向上にも期待いたします。
【MDPFより】
化合物や合金の合成研究、学生指導、未知相の同定など多様な場面でMatNaviをご活用いただき、単結晶試料の合成成功や未知ピークの原因特定などの成果に結び付けていただきました。今後も研究・教育現場でお役に立てるデータベースを目指し、ご意見・ご要望をサービス改善に活かしてまいります。
