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2025.12.23 ニュース データ解析と機械学習のプレイグラウンド「pinax」サービスを開始 pinax

豊富な材料データを使ったデータ駆動研究がクラウドで完結できるサービスが始まります。

NIMSデータ中核拠点 (MDPF) は、新たなサービスとして、データ解析と機械学習のプレイグラウンド「pinax (ピナックス） 」の提供を12月23日から開始しました。pinaxは、データ駆動材料研究に欠かせない材料データと解析環境を一体的に提供するとともに、データ解析の試行錯誤を記録・共有する機能を備えた新しいシステムで、機械学習モデル開発を効率化し新たな知見創出を加速します。

概要

NIMSは、文部科学省「マテリアルDXプラットフォーム構想」において、産学官の高品質なマテリアルデータを収集・蓄積・利活用するための「データ中核拠点 (MDPF) 」の形成に取り組んでいます。
この取り組みの中で、MDPFはデータ基盤の整備・運用を担い、データ駆動型の材料研究を強力に後押しするサービスを提供しています。これまでに、物質・材料データベース (MatNavi) や、データ蓄積・共用システム (RDE)、材料の論文とデータを公開するリポジトリ (MDR)、統合型材料開発システム (MInt) などのデータサービスを公開・提供してきました。
今回、MDPFが提供するサービスラインナップに、新たに「pinax (ピナックス)」を追加し、日本国内の大学・企業等の研究者への無償提供を12月23日から開始しました。

pinaxは、蓄積されてきた豊富な材料データを活用して解析を試すための"プレイグラウンド"です

  1. クラウド上で、手軽にデータ解析を開始
    2.

    個人の領域として、計算資源や解析用ライブラリを備えた仮想デスクトップ環境が利用でき、環境構築の手間なく、すぐに機械学習を開始できます。また、NIMSが長年にわたり蓄積してきた高品質な材料データも使えます。ユーザ自身の研究データと組み合わせて、新たなモデル開発やデータ解析に挑戦できます。

  2. すべての試行錯誤を「再現可能な知見」に変える来歴管理
    3.

    予測モデルが「どのデータ」を「どんな手順」で学習したかを「来歴」として記録・可視化できるので、解析手順ごと共有・再利用することや、試行錯誤からのフィードバック（モデルの精度向上に寄与した要因の分析など）を得ることが容易になります。

  3. 段階的な共有で、開発プロセスをシームレスにつなぐ
    4.

    作成した作業データや機械学習モデル、解析手順などは利用グループの専用領域で管理され、ユーザ自身やグループ内で安全に再利用することが可能です。さらに、他のグループやpinaxの全ユーザにシェアすることも可能です。知識や経験が共有されることで、予測モデル開発における「属人化」の壁を乗り越えます。


pinaxは、データ解析の試行錯誤を知見に変えて共有・継承し、次の研究へとつなげる好循環を生み出すことで、マテリアルDXを加速させます。


図：pinaxが目指すデータ活用・共有・知見創出のサイクル促進


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